Hideyo Blackmoon / Blackmoon

深い声だった。アンビエントな音場の中、大地の包容力から空の輝きまでをカバーする揺るぎない女声。あのhideがリスペクトしていたTENSAWのメンバーたちとバンドをやって、５分でわたりあっていたこともある彼女なのだ。

もっとも、日出夜Blackmoonという名が最大級のアコガレを持って語られているのはクラブ・シーンにおいてだ。’80年代、日本のクラブ・カルチャーの開花と同時にシーンに足を踏み入れ、以後は幾多のパーティーをオーガナイズ。さらにDJとして世界に飛び出し１年の大半を海外で過ごしつつ、行く先々の国からメッセージを発信するというライフ・スタイル。本作はそうした生活の中、様々な国のミュージシャンとのコラボから生まれ、彼女が東京と並ぶ拠点としている地中海の島・イビザで仕上げられた。

旅先で出会ったスピリチュアルリーダー達から受け継いだ精神性。「日本語の響きの美しさを聴かせてほしい」という海外の友人たちからの強いリクエストに応えた詞。そしてなにより、おそらくは世界のDJの中で最も聴かせる歌声。それらはフォトジェニックな本人の容姿と相まって、日出夜Blackmoonでしかありえない世界を造り出している。（今津　甲）

1. Tears Of Joy α by The Nun Project a.k.a Nir Danan(Israel)
2. Liquid Emotion - Con vocal by Ohm-G(Ibiza)
3. Sun Shine La La by Mjuc (Tokyo)， Cello by BenShaman(Australia)
4. Kokoro One by PM.F.M. a.k.a Peter Musebrink(Ibiza/Germany)
5. Something AI by Master Margherita a.k.a Moreno Antognini(Switzerland)
6. Nayuta by Hideyo Blackmoon
7. Water From The Desert - Ibizrre Mix by Nir Danan(Israel)， Shams(Belgium)
8. Aloe Sky Mix by Tjak(Portugal)
9. Akasha - Blackmoon Mix by Olaf Gutbrod(Ibiza/Germany)
10. Purple Diamond by The Nun Project a.k.a Nir Danan & Yoav Or(Israel)
11. The Aeon - Heavenly Fire Mix by Lenny Ibizarre(Ibiza)
12. Sun and Moon - Blackmoon Mix by Gus Till(Bali) & Andrew Till(Australia)